彼女の居場所 ~there is no sign 影も形もない~
衝撃波
明け方にホテルから自分のアパートの部屋に帰ってきた。
昨夜の衝撃が強すぎてそれからは眠れなかった。
稔のこと。
そして、名前も知らない初対面の男性と一夜を共にしてしまったこと。
Barで1杯飲むだけだったはずが、あの人とどうしてそんなことになってしまったのか……。
空腹のまま何杯かのカクテルを飲んでいたから、私はすっかり酔っていた。
あの人との約束通り1杯を飲んで帰ろうと立ち上がると、私の予想以上にお酒が回ってしまっていた。
膝に力が入らず両脚がふらついた。
あの人に支えられて『タクシーで送るから』と言われて、私は稔と2人で過ごす予定だったホテルの客室キーをあの人に見せたのだった。チェックインの時に支払いも済んでいる。
『今夜はここに泊まるので送って頂かなくても大丈夫です』と。
あの人は足元の怪しい私を見て『部屋の前まで送る』と言ってくれた。
それは歩き出そうとした時だった。
私はつまずきよろけてしまい、あの人がサッと私の身体に腕をまわしてぎゅっと支えてくれた瞬間だった。
フワッと彼の香りがした。あの時、私はあの人に男を感じてしまった。
そしてあの人は私に女を感じてくれたのだろう。目が合った彼の瞳は赤く光っているように見えた。
その後は・・・思い出すととんでもなく恥ずかしい。
稔のことがあったとはいえ、知らない人と肌を重ねてしまうだなんて。
あの人は優しく私を扱ってくれた。
それなのに我に返った私はその場を逃げ出してしまうしかなかった。
部屋の支払いだってしてあるし、いいよねと自分に言い訳をして。
昨夜の衝撃が強すぎてそれからは眠れなかった。
稔のこと。
そして、名前も知らない初対面の男性と一夜を共にしてしまったこと。
Barで1杯飲むだけだったはずが、あの人とどうしてそんなことになってしまったのか……。
空腹のまま何杯かのカクテルを飲んでいたから、私はすっかり酔っていた。
あの人との約束通り1杯を飲んで帰ろうと立ち上がると、私の予想以上にお酒が回ってしまっていた。
膝に力が入らず両脚がふらついた。
あの人に支えられて『タクシーで送るから』と言われて、私は稔と2人で過ごす予定だったホテルの客室キーをあの人に見せたのだった。チェックインの時に支払いも済んでいる。
『今夜はここに泊まるので送って頂かなくても大丈夫です』と。
あの人は足元の怪しい私を見て『部屋の前まで送る』と言ってくれた。
それは歩き出そうとした時だった。
私はつまずきよろけてしまい、あの人がサッと私の身体に腕をまわしてぎゅっと支えてくれた瞬間だった。
フワッと彼の香りがした。あの時、私はあの人に男を感じてしまった。
そしてあの人は私に女を感じてくれたのだろう。目が合った彼の瞳は赤く光っているように見えた。
その後は・・・思い出すととんでもなく恥ずかしい。
稔のことがあったとはいえ、知らない人と肌を重ねてしまうだなんて。
あの人は優しく私を扱ってくれた。
それなのに我に返った私はその場を逃げ出してしまうしかなかった。
部屋の支払いだってしてあるし、いいよねと自分に言い訳をして。