彼女の居場所 ~there is no sign 影も形もない~
「じゃ、好きなジャンルは?」
え?
「特に…何でも美味しくは頂きますが」
「そう。例えば、和食でも中華でもエスニック料理とかでも?」
「はい。好き嫌いはないですし、アレルギーもありませんから」
「よかった」
ん?よかった??
この話の着地点はどこにあるんだろう。
「いや、実はね、2等には秘密の副賞があるんだよ」
そう言って、秘書さんに目で合図をする。表情は笑顔なんだけど、先ほどまでの笑顔じゃなくて何かイタズラを企んでいるようなニヤついているような。
嫌な予感がする。
旅行券の目録とは違う白い封筒が目の前に差し出された。
「これは…?」
「副賞なんだけどね、他の社員には秘密なんだ」
「秘密ですか?」
「そう」
秘密って。
思わず秘書さんの顔を見ると、笑顔の社長と違って秘書さんは少し困ったような表情をしていた。
受け取ってよいものかためらっていると、
「いや、食事券だと思ってくれればいいんだけど」
と社長はいたずらっ子のような笑顔を向けてきた。
「お食事券なんですか?」
じゃありがたく頂こうかなと思い始めたけど、『秘密』というあたりが何か引っかかる。
とりあえず、手を引っ込めて聞いてみた。
「なぜ『秘密』なんでしょうか」
「それはただ食事券ってわけじゃなくて『副社長との会食券』だからだね」
社長はニヤッとして私に封筒を押し付けてきた。
「え、社長!困ります!」
私は封筒をグイっと社長に押し戻した。
「どうして?これでも女子社員への福利厚生のつもりなんだけど」
社長は不思議そうな顔をしている。
え?
「特に…何でも美味しくは頂きますが」
「そう。例えば、和食でも中華でもエスニック料理とかでも?」
「はい。好き嫌いはないですし、アレルギーもありませんから」
「よかった」
ん?よかった??
この話の着地点はどこにあるんだろう。
「いや、実はね、2等には秘密の副賞があるんだよ」
そう言って、秘書さんに目で合図をする。表情は笑顔なんだけど、先ほどまでの笑顔じゃなくて何かイタズラを企んでいるようなニヤついているような。
嫌な予感がする。
旅行券の目録とは違う白い封筒が目の前に差し出された。
「これは…?」
「副賞なんだけどね、他の社員には秘密なんだ」
「秘密ですか?」
「そう」
秘密って。
思わず秘書さんの顔を見ると、笑顔の社長と違って秘書さんは少し困ったような表情をしていた。
受け取ってよいものかためらっていると、
「いや、食事券だと思ってくれればいいんだけど」
と社長はいたずらっ子のような笑顔を向けてきた。
「お食事券なんですか?」
じゃありがたく頂こうかなと思い始めたけど、『秘密』というあたりが何か引っかかる。
とりあえず、手を引っ込めて聞いてみた。
「なぜ『秘密』なんでしょうか」
「それはただ食事券ってわけじゃなくて『副社長との会食券』だからだね」
社長はニヤッとして私に封筒を押し付けてきた。
「え、社長!困ります!」
私は封筒をグイっと社長に押し戻した。
「どうして?これでも女子社員への福利厚生のつもりなんだけど」
社長は不思議そうな顔をしている。