彼女の居場所 ~there is no sign 影も形もない~
私が返事に困っているのがわかったのだろう。副社長の口調が変わった。
「理由ならいくらでもあるよ。どれにしようか」
「副社長?」
「ちょっと遅くなった誕生日プレゼントとか。先日のプロジェクトの成功の影の立役者だったのも知っているよ。そのご褒美にしようか。あと、レストルームにある元気が無くなった鉢植えを復活させて元気にしてくれたお礼、頼んだ資料を的確に修正を加えて作成して現場の営業の力になってくれているお礼、えーっと、他にもあるな」
ええっ?
「副社長、何で…」
「どうしてそんなに知っているかって?ああ、そんなことより1番の理由があったよ。俺が早希にあげたいから」
私の心臓がドクンとした。
何でこの人はこんなに私を惑わせるんだろう。
「さぁ、もう受け取れない理由はなくなった。もらうしかないよ。どうする?どうやって逃げる?」
副社長は電話の向こうで笑っていた。
私はもう観念するしかない。
ふふっと笑って
「ありがとうございます。大切に使わせていただきますね」
と返事をした。
「俺の作戦勝ち」
副社長の満足げな声がおかしくてクスクスと笑ってしまう。
「でも、鉢植えの話とかどうして副社長がご存知なんでしょう?」
「ああ、実は早希を見張ってるんだ。あ、嘘だけど。ストーカーじゃないから安心して。知り合いにチラッと聞いたんだ」
ははっと笑っているけど、どういう事?
一体誰だろう。
「あ、そうだ。副社長。荷物と一緒に副社長の名刺入れが入ってました。お困りですよね。早くお渡ししないと」
「ああ、予備があるから大丈夫だよ。でも、悪いけど持って来てくれる?明日、就業時間が過ぎたら副社長室に頼むよ」
「副社長室ですか?」
それはハードルが高い。
「そんなに気にする場所じゃないから大丈夫だよ」
「いえ、気にする場所だと…」
「就業時間後に出入りするのは俺の秘書と社長秘書の林くらいだから、心配いらない。待っているから頼んだよ」
そして、それ以上私が言えないように「じゃ、明日」と電話を切られてしまった。
もうっ。副社長は結構強引なところもあるらしい。
「理由ならいくらでもあるよ。どれにしようか」
「副社長?」
「ちょっと遅くなった誕生日プレゼントとか。先日のプロジェクトの成功の影の立役者だったのも知っているよ。そのご褒美にしようか。あと、レストルームにある元気が無くなった鉢植えを復活させて元気にしてくれたお礼、頼んだ資料を的確に修正を加えて作成して現場の営業の力になってくれているお礼、えーっと、他にもあるな」
ええっ?
「副社長、何で…」
「どうしてそんなに知っているかって?ああ、そんなことより1番の理由があったよ。俺が早希にあげたいから」
私の心臓がドクンとした。
何でこの人はこんなに私を惑わせるんだろう。
「さぁ、もう受け取れない理由はなくなった。もらうしかないよ。どうする?どうやって逃げる?」
副社長は電話の向こうで笑っていた。
私はもう観念するしかない。
ふふっと笑って
「ありがとうございます。大切に使わせていただきますね」
と返事をした。
「俺の作戦勝ち」
副社長の満足げな声がおかしくてクスクスと笑ってしまう。
「でも、鉢植えの話とかどうして副社長がご存知なんでしょう?」
「ああ、実は早希を見張ってるんだ。あ、嘘だけど。ストーカーじゃないから安心して。知り合いにチラッと聞いたんだ」
ははっと笑っているけど、どういう事?
一体誰だろう。
「あ、そうだ。副社長。荷物と一緒に副社長の名刺入れが入ってました。お困りですよね。早くお渡ししないと」
「ああ、予備があるから大丈夫だよ。でも、悪いけど持って来てくれる?明日、就業時間が過ぎたら副社長室に頼むよ」
「副社長室ですか?」
それはハードルが高い。
「そんなに気にする場所じゃないから大丈夫だよ」
「いえ、気にする場所だと…」
「就業時間後に出入りするのは俺の秘書と社長秘書の林くらいだから、心配いらない。待っているから頼んだよ」
そして、それ以上私が言えないように「じゃ、明日」と電話を切られてしまった。
もうっ。副社長は結構強引なところもあるらしい。