出会いは突然、電車にて。
「それより快斗、今から私、きっとすごいこと言うから余計なお世話だとか思ったら無視して聞かなかったことにして。」


快斗は一瞬顔をしかめたけどすぐ真面目な顔で聞く体制を作ってくれた。


「お金のことなんだけど、快斗が払ってくれるのはとっても嬉しいんだけど、やっぱりさっきの話を聞くとデートの時は快斗の負担にはなりたくないから奢ってもらうことは出来ない。
だからデートの時は私に奢らせて。これは私からの命令。

で、もし嫌だったら聞き流してほしいのはこっち。

快斗ももう、卒業でしょ?快斗の道は快斗が決めるんだから私はこの1回しか言わないけど、もし、お金のことで困ってて大学の進学を諦めようとしてるんだったら絶対にやめて。
私もなにかできる限り手伝うから。別にそんなこと思ってないって言うんだったら良いんだけど、少し快斗がそう考えてるように感じて。
どうかな、

本気で私と付き合ってくれてるんだったら出来るはずでしょ。」


快斗は顔をさっきからずっとしかめてる。


「でも、そんな杏奈ばっかりに迷惑なんてかけれな...」


そんな快斗の言葉を遮って私は続ける。

「私に迷惑かどうかじゃないくて、快斗は迷惑じゃないの?」
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