出会いは突然、電車にて。
「これ、ほんとにもらっていいの?」


「えっ、うん。もらって欲しい。」


もらってもらわないとこれ帰るまで持ち歩かなきゃダメだし、帰って夜ご飯に全部食べなきゃダメになるし。


「ほんとに俺なんかがもらっていいの?」


「快斗にもらって欲しい。」


「ありがとう。まじで嬉しい。
うわぁ、手作りの食事が食べれるとかいつぶりだろ。むっちゃ嬉しい。ありがとう。」


「えっと、荷物になっちゃってごめんね?明日からは朝ご飯の分パンがあるみたいだから減らしてくるね。
あと美味しいかどうかもわかんないけど。
あと嫌いな食べ物あったらほんとごめん。」


一番怖いのが味。人の口に合うかなんてその人次第で。本当に一番それが怖い。


「俺、嫌いなのないから大丈夫。って、えっ、全食作ってきてくれたの?」

さっきよりも少しトーンを上げて嬉しそうに聞いてくれる。

「うん、一応。先に朝ごはんいるかどうか聞いとけば良かったかな。」

「ううん、ありがとう。」


そう言って抱きしめられる。
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