出会いは突然、電車にて。
やっぱ緊張するけど、


でも、私が今言わなきゃこの人が後で困るから!


「あ、あのー」



良かったー。
振り向いてくれた。


私は差し出しながら言葉を続ける。


「えっと、これ落ちてましたよ。」


「えっ、どこに落ちてた?」


やばい、やっぱり心臓が。


やっぱり少しだけ、怖いな。


「えっと、足元に落としてたけど気づいてなかったみたいだったので。」


「まじ?ありがとう。助かった。」


この人の笑顔を見てちゃんと渡して良かったと思った。
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