出会いは突然、電車にて。
一人頭が追いつかないでいると、


「クソっ、」


そう言いながら男達は逃げていく。



「杏奈、大丈夫?」


そう声を優しくかけてくれる君に少し固まってしまう。

「あっ、ごめん。俺、怖かったよな。
俺、昔、空手してたんだ。

ごめん、
杏奈の目の前で人、殴ったりして。」


ありがとう。そう言いたいのに上手く声が出ない。


「ごめん、今の俺と話なんかできないよな。

ほんとに怖いとこ見せてごめん。」


そういって快斗は立ち去ろうとする。
< 46 / 159 >

この作品をシェア

pagetop