出会いは突然、電車にて。

｢こんにちは、

俺、川波快斗。
えっと、瀬奈ちゃんで合ってるのかな？
いつも杏奈がお世話になってます｡｣


快斗はこういうことをすらっと勝手に空気を読んでできるのはさすが年上だなって思う。

って、

｢｢おかんか！｣｣


私と瀬奈は口を揃えて快斗に突っ込む。


｢ﾌﾟｯ、いつもお世話になってますって、

お母さんみたいですね、ｱﾊｯ、ｱﾊﾊﾊﾊﾊﾊ｣

あーぁ。
瀬奈がツボに入っちゃった。

一度入るとなかなか出てきてくれないんだよね。


これ以上仕事の邪魔をすると悪いからと思って、

｢瀬奈、また後でね！｣

と言って教室を出た。





その時、瀬奈がまさか快斗に
｢杏を泣かせたら許さないので｡｣


と言っていたのは私が知るはずも無かった。