クールな外科医のイジワルな溺愛
「でも、お医者さんたちって勤務が不規則で……」
「私たちは何曜でも何時でも駆けつけます」
後輩がキリッとした顔で答える。その勢い、仕事で出してよ。
「ナミ先輩は彼氏がいたはず……」
「ばれなきゃいいのよ」
いいのかい。彼氏が知ったら嫌な気持ちになると思うんだけどな。それより、ドクターとの出会いの方が重要なのか。
「もう……わかりましたよ、一応打診してみます」
うなずくとやっと、悪い魔女みたいだった皆の顔が明るい微笑みに変わった。サンドイッチを食べることを許され、お腹が満たされてホッとしたのもつかの間。ナミ先輩が何かを思い出したように勢いよく話しだした。
「そういえば花穂、あんたの入院中に事件があったのよ」
「給与入力ミス事件ですか?」
「それを言うなって。そうじゃなくて、あのね……」
むしゃむしゃとオシャレサンドイッチを咀嚼しながら聞いていると、先輩の声が突然途切れた。その視線は私の背後で止まっているみたい。何かあったのかな?
先輩の視線を追って振り向くと、そこには高級ブランドのスーツに身を包んだ男の人が。
「げっ……!」