クールな外科医のイジワルな溺愛

「ま、顔は綺麗ですよね」

たしかにあの顔は国宝級だと思うわ。その上ドクターと聞けば、女性は高確率で目を奪われてしまうだろう。

「でも性格悪いですよ」

「えっ。黒崎先生の悪い話なんて、聞いたことないけどな」

「猫被ってるんです。そのうち皮がはがれますよ」

「はは。面白いな、芹沢さん」

療法士さんは私の話を冗談だと思っているみたい。なんか、ムカつく。黒崎先生はみんなに優しいのに、私にだけ意地悪してるみたい。

ムカムカする想いを膝の痛みにぶつけるように、それまで以上に真剣にリハビリに取り組んだ。

「おう、頑張ってる?」

途中で先にリハビリを追えたらしい金髪ぽっちゃりお兄さんが話しかけてきたけど、きっとにらんで返す。

「今話しかけないで」

それ以降彼のことは視界に入れず、黒崎先生のことも考えないようにして歩き続けた。


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