クールな外科医のイジワルな溺愛
「こちらはいかがでしょう」
「いいですね。早速着替えさせてください。試着室にイスを用意してもらえるとありがたいのですが」
「かしこまりました」
店員さんと黒崎先生はてきぱきと服を決めて、私を試着室へ連れていく。手渡されたワンピースは、白い襟のシャツワンピースだった。普段使いできそうなカジュアルなデザインで、白地に淡いピンクや紫の小花が一面にプリントされている。
ウエスト部分もあまりくびれておらず、けが人の私でも楽に着られそう。店員さんも先生もちゃんと考えてくれたんだろう。
イスに腰かけ、足に負荷をかけないよう注意して着替えを済ませた。
鏡を見ると、スカート部分の丈が膝上のため、思い切り痛々しい右ひざのサポーターが見えてしまっている。
「あのう……もう少し丈の長いものか、ゆったりしたパンツなどはないでしょうか……」
試着室の壁につかまりながら顔を出すと。
「一度見せてみろ」
真ん前で待っていた黒崎先生が、シャッとカーテンを開けてしまった。ちょ、やめてよ。他のお客さんにも怪我したところを見られちゃうじゃない。
焦る私とは対照的に、黒崎先生は落ち着き払った顔で私を頭の上からつま先まで、CTみたいに確認していく。