クールな外科医のイジワルな溺愛

「ここが今日からお前の部屋。ちょっと俺の荷物が置いてあるけど、気にするな」

そう言って開かれた部屋は、十畳くらいありそうだった。けれど壁際にずらりと本が並んでいて、少し圧迫感を感じる。うえー、私本なんて嫌い。活字が並んでいるのを見ると眠くなっちゃう。

本を読む専用の部屋なのか、ソファーベッドと小さなテーブルと椅子が本の付属品みたいにちょこんと置かれていた。

下げられていたロールカーテンを開けると、先ほどと同じように見事な高層ビル群がお目見えする。

「おおお……」

頭にちょんまげが生えてきそう。ここは覇者の住処じゃ……。

「ここのクローゼットから掛け布団を出せば、あとは何もない」

荷物をそこに入れていいってことね。

「風呂、トイレは鍵をかけて使うこと」

「わかってます。ところで先生はどこで寝るんですか?」

もしかして、隣の部屋とか……。先生は夜勤があるから、私が出勤する頃に寝ていることもあるだろう。これだけのマンションだから防音もしっかりされているんだろうけど、やっぱり気を遣うよね。


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