クールな外科医のイジワルな溺愛
次の日。
携帯のアラームで目が覚めた。布団の中でううんと伸びをすると、右ひざが痛んだ。
「あいたた……」
そうだ、私怪我をして手術したんだった。病院にいるときは気をつけていたのに、退院した途端気が緩んじゃった。
ゆっくりと起き上がると、そこが殺風景な自分の部屋ではないことに気づく。ここは黒崎先生のマンションだ。
立ち上がり、下げておいたロールカーテンを上げる。すると、朝の光に照らされて眩しく光るビル群が私の目を刺激した。
昨日のことは全て夢じゃなかったんだ。今日から仕事に行かなきゃいけない。いつもとは違う沿線を使うし、そもそも地下鉄の駅の場所さえ初めてで微妙だから早めに出ないとね。
さあ着替えようとクローゼットを開ける。今日から補色コーデはやめよう。一応考え、白シャツにカーディガン、膝を隠すためのワイドパンツを履いた。これなら膝も締め付けられない。
部屋を出て洗面所で顔を洗っていると、背後でガチャリとドアが開く音がした。びっくりして顔を上げると、鏡にくすくす笑う黒崎先生が。先生はワイシャツを着ている。