愛され過ぎて…ちょっと引いてます
愛され過ぎて…ちょっと引いてます
「おはようございます」

秘書室のドアを開けて部屋に入った千堂 恵(けい)は、すでに自分のデスクでメールチェックを始めている秘書課チーフであり専務専属の香月 沙羅に挨拶をすると、パソコンから恵へと視線を上げた香月から微笑みを向けられた。

「おはようございます」

その微笑みは同性の私でもドキッとするくらい魅力的で、先週入社したばかりの恵には憧れの先輩である。

美人なのに優しくて、仕事までできちゃう。

こんな人が世の中本当にいるんだなってつくづく思う。

自分のデスクにバッグを置いてから給湯室に向かい、もう少し経ってから出社して来る役員の為にコーヒーメーカーをセットして、カップを準備しておく。

ここまでやっておけば後は専属秘書がそれぞれやってくれるので、恵はみんなに挨拶しながら自分のデスクへと戻って始業の準備を始めた。
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