掃き溜めに鶴
掃き溜め
久しぶりに悪夢を見た。
内容は覚えていないが、何故か幼少期に叔父から聞いた話が頭に浮かんだ。
知り合いから譲り受けたパイプのベッドは、少しでも動くとギシギシと嫌な音を立てる。
「良いものと悪いものねぇ……。
実際のところ、そうかもしれねぇな。」
俺は、悪いものの思惑通りにここまで来てしまった。
“眠らない街”とこの街が呼ばれ出したのはいつの頃からなのだろうか。
ビルとビルの間の小さなボロアパートからは何も見えないが近くの大通りの音が聞こえる。
エンジンの音、タイヤが擦れる音、鳴り響くクラクション。
窓から入り込んだ生ぬるい風がカーテンを開け、光が部屋に入ってくる。
扇風機の音だけが俺のものだった。
「……コンビニに行くか。」
クーラーはあるがそれを一晩中付けられるほど俺の財力はない。
暑さから逃げるように部屋を出た
内容は覚えていないが、何故か幼少期に叔父から聞いた話が頭に浮かんだ。
知り合いから譲り受けたパイプのベッドは、少しでも動くとギシギシと嫌な音を立てる。
「良いものと悪いものねぇ……。
実際のところ、そうかもしれねぇな。」
俺は、悪いものの思惑通りにここまで来てしまった。
“眠らない街”とこの街が呼ばれ出したのはいつの頃からなのだろうか。
ビルとビルの間の小さなボロアパートからは何も見えないが近くの大通りの音が聞こえる。
エンジンの音、タイヤが擦れる音、鳴り響くクラクション。
窓から入り込んだ生ぬるい風がカーテンを開け、光が部屋に入ってくる。
扇風機の音だけが俺のものだった。
「……コンビニに行くか。」
クーラーはあるがそれを一晩中付けられるほど俺の財力はない。
暑さから逃げるように部屋を出た