掃き溜めに鶴
お気に入りの銘柄を購入し、涼しい天国から出る。何を隠そう明日は仕事だ。どんなに自分の部屋が釜茹でとて帰らなければならない。


重い足取りで家までの道のりを歩いていると街頭の下に人だかりが見えた。野次馬根性で俺も覗いてみる。


顔は見えないが制服を着ている。女子高校生だろうか？


「おじょーちゃんだいじょーぶー？」


酒くさそうなリーマンが女子高生を揺さぶる。



ぐる、と肩を持ち上げると顔が見えると


「……しおり……。」


その顔は見覚えのある顔だった。


「何だ兄ちゃんの連れかぁ!!カワイイ子はちゃんと見とかなきゃだめだぞぉ〜!」


ｷﾞｬﾊﾊ、と下品な笑い声を残しリーマンは去る。ほ、っとした顔で女性が帰る。少し残念そうな顔で男性が帰る。


俺はこの女子高校生と知り合いという訳では無い。


似ているのだ、いや、同じ顔をしているのだ。
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