ルミナスの当主の秘密
『そっちこそ、強いじゃん。少し楽しかった、別に戦ってもいいけど、次も負けないからね〜!』



これが私の本気だと思わないでよー!まだ私、10分の1の力も出してないんだからねー!



『”ファイヤー・ヒール”あれ?氷が溶けない?もう一度”ファイヤー・ヒール”あれ、やっぱり溶けない。琥珀、悪い氷が溶けない。しばらくこのままだな!!』




『はぁぁぁぁ!?おい、革ふざけんなよ!!』




あ、




『そうだった!鳥の攻撃は、鳥しか癒すことが出来ないんだった!”ファイヤー・バードミニ!琥珀の傷を癒して”』




その途端、小さな炎の鳥が沢山現れて、琥珀の周りを飛んだ。するとみるみる氷は溶けていき、数分で氷は全て溶けた。



いやー忘れてたわ。



鳥の攻撃を治すのは鳥だけだという事を。



あ、あはは?



『ごめんね?琥珀。忘れてたの。はい、”ヒール”』




”ヒール”は、傷を癒すことが出来る魔法。




いわゆる治癒魔法。




でも、私の”ヒール”は傷を癒すだけではなく、魔力も回復する。



『え、魔力が元に戻っ、た?』




『『え!?』』



おぉー、革さんと美咲息ぴったり!!




さすが、恋人!!




『怜!!魔力を元に戻す事、出来るの!?』



すごい驚いた顔をして話す美咲。




さすが美咲。どんな顔をしても可愛い!



まぁ、みんなが驚くのも無理は無い。



だって、”ヒール”で魔力を回復するのは不可能だからね。



でも、私は違う!!ルミナスの当主として、みんなを助けられる様、色んな魔法を開発してきた。



”スノー・バード”もそう。



さすがにそれは言えず、


『あ、うん。できるよー!迷惑だった?つい癖で』


とだけ言った。



癖というのは、ルミナスでよく色んな人の傷を癒すと共に同時に魔力も戻してたからなー




『いや、迷惑じゃない。ありがとう怜。』




琥珀は、笑顔で言っていて、不覚にもカッコイイ何て思ってしまった。




ううん、ダメ。




私は、恋なんてしていい立場じゃないでしょ?





ルミナスの当主だし、それに・・・




『どうしたの?怜?』





美咲は、心配そうに私の顔を覗いていた。





いけない!!心配かけちゃう、





『ううん!何でもないよ!少し考え事してただけ!どういたしまして!!琥珀!』




私が琥珀の顔を見て言うと、琥珀は顔を背けた。




『な、何よー!何で顔を背けるのよ!』




私が顔を覗くと琥珀は、また違う方向を見た。




その様子を見て、革さんと美咲は




『『あ〜、なるほどねー。ふーん、そうなんだー琥珀』』




え?何が?





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