ヒミツの通り道。
プロローグ
「この子の名前は、海音。
海の音のように、誰かを和ませ、誰かを励ませられる子に、どうか育ってください。」
始まりは、この時。
張り裂けるような苦痛のもとで、一つの命が生まれた。
その命からは、また一つ、命が生まれる。
「おぎゃー!!!おぎゃー!!!」
この世に生まれてきたのを喜ぶようなその泣き声は、
海の音の声?
それとも…………………。