ヒミツの通り道。


小さい頃に養護施設に預けられたというのだ。



海音の実母は随分と遊び呆けていて、そんな遊びの関係でできた子供が海音だった。




もちろん海音の母親は海音を産むものの、全く家に帰って来ず、家にあるのは缶詰だけ。



窓も閉めきった部屋で、海音は毎晩毎晩泣いていたという。


明かりもつけず、真っ暗な部屋で。




ついにはある日から海音の母親は消息不明。


近所の人がアパートから泣き声がすると110番通報し、海音は無事に保護され、今の家庭に引き取られた。



もちろん今の母親は義母で、弟とも血が繋がっていない。



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