ヒミツの通り道。


どれも海音にとっては十分すぎるぐらいのダメージだった。


その中で一番怖かったこと。


それは体育倉庫に閉じ込められたこと。


海音は小さい頃の記憶がフラッシュバックし、パニック状態になったという。



それでも学校に行っていたのは、部活があるから。




部活内では、最初は海音に対してのイジメはなかった。



先輩も後輩も、哀れみの目や冷たい目をして海音を見ているだけで、何も言ってこなかった。



海音はそれこそ辛かったものの、教室よりは全然マシだった。



……学校での、たった一つの居場所だった。




しかしその居場所も、次第になくなっていった。



教室にも部活にも居場所がない。


そんな日々を送り続けていた海音。



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