ヒミツの通り道。


なに……それ。



…球技大会のときのあの子の顔に見覚えがあったのは…いつも学校の校門で千葉くんを待っていた子だったから……。



「………本当に、ごめん。」



そう言って、千葉くんは深々と頭を下げた。




「ちょっ!やめてよっ!

そんなことしないでよ。」



「でも俺っ!

君に最低なことをした。

君が苦しんでるって分かってたのに……俺はっ!!!」



………。



「…千葉くん。顔を上げてよ。」



千葉くんはそっと顔を上げてくれた。


その表情は後悔の色一色に見えた。



「あたしは、今更中学の人に会ってもどうにも出来ないし、なんとも思わないよ。

そうやって謝られるのも困る。」



「………。」




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