ヒミツの通り道。
「海音ちゃーん……ってあれ?どうしたの?」
そのとき、愛美ちゃんが休憩所に入ってきた。
きっとあたしが泣いているから驚いているんだろう。
「なんでもないよ、愛美ちゃん。
どうしたの?」
「なんでもないならいいけど………。
あのね、海音ちゃんのお母さんと名乗る人がうちのクラスに来て……。」
え。
「あまね、チャンスなんじゃない?」
「うん。そうかも。ちょっと行ってくる!!
愛美ちゃん、ありがとう!」
愛美ちゃんにお礼を言って、あたしはドキドキする胸をおさえながら自分のクラスに向かった。
「海音ちゃん、どうしたの?」
「ん〜?
きっと辛い過去とサヨナラをしに行ってるんだと思うよ。」