腕の中の神様
夢うつつ。
高校一年の冬。
明日から冬休みだ。
肌寒い体育館で長い校長の話を聞き、更に生徒指導やら進路指導やらの話も聞き、ずっと座っていて尻が痛くなった。
「相変わらず校長の話はなげー。めっちゃケツいてーわ。」
「三人とも似たよーな事ばっかいってたし、聞く意味なくね。」
昔からのツレの愁と岳琉が教室へ戻る途中、愚痴をこぼす。
そーだなって適当に相槌打って、暗い空を見ていた。
「そーいや、二人ともクリスマスの予定とかあんの。」
この前、半年付き合っていた彼女と別れて非リアになった岳琉が言った。
「お前は彼女と過ごすんだろ。」
岳琉の問いに、十ヶ月くらい前から付き合っている彼女のいる愁にそう聞けば、少し恥ずかしそうに頬を染めた。
「行こうとは言ってるけど、具体的にはあんま決まってねーな。」
「爆ぜろリア充。」
振られる前、彼女とクリスマス何処行こうとか浮かれてたから、振られた日には死んだ顔をしていたな。
ドンマイって、肩に手を回すとうるせー!って騒ぐ。
「お前は予定あんのか?」
「あー、ある。」
少し考えて返事すると、怒ったような寂しいような顔を向ける。
「は、何だと!」
「お前とクリパするってゆう予定。いや?」
「いつき〜‼︎」
いきなり抱きつこうとしてくるから華麗に避けた。