腕の中の神様
「お前もソロソロ彼女でも作ったら?」
「そーだって。高一にもなって誰とも付き合った事ねぇってやばくね?」
LHRも終わって、帰る準備をしていたら準備を終えた二人が俺の席まで来て言った。
「んなこと言われてもな。作ろうと思って作るもんじゃなくね?」
「お前、人好きになったことあんのか?このまま一人で死ぬ気か?」
鬱陶しい岳琉に、半ば適当に答える。
愁は言い出しっぺのくせに、まるで傍観者だ。
「大袈裟だな。人を好きになった事ぐらい俺もあるし。」
「は?誰だよ。」
突然、あの甘い匂いを思い出して、体が熱くなった。
「……しらねぇよ。」
ため息を吐くように言葉を吐いた。
「お前、その間は何だよ!」
「できてもお前には教えねーよ。」
昔の話をしても多分、夢でも見てたんじゃねーの?って言われる気がする。
でも、あの人は本当にいて、俺を抱きしめてた。
あれは、夢なんかじゃないよな?