腕の中の神様
外から雷が聞こえた。
いや、別に俺は怖くねーけど。
五月蝿いのは嫌いだからさ、早く晴れねーかなーって思う。
そーいや、誰かが言ってたな。
用を足してる時に近くに雷が落ちて、感電死したとか。
俺は今、風呂に入ってるから、もし近くに落ちたら感電死するかもなーなんて。
……しょうもね。
と思いながらも急いで出たのは、怖いからじゃなくて、見たいTVがあるのを思い出したから。
服を着たらタオルを持ってすぐにソファへと急いだ。
タオルを首に巻いて、前から見たかったお笑い番組をつける。
途中、アイスを買っていた事を思い出し、冷凍庫から取り出して食べた。
時々漏れる笑い声。
でも、一人の部屋では虚しいだけだ。
面白く無くなってTVを切ったら、雨の音がより強くなって、見えない壁を作った。
時々光って、大きい音がなって、
雨が、俺を孤独にした。