お見合い相手は、アノ声を知る人
思いとは裏腹に……
一週間はあっという間に過ぎていった。
慣れないけど何とか溜まってた経費処理も済み、週の後半からは前日の処理を片付けながら違うことも出来るようになった。

有能ねーと総務の本田さんに誉められ、そんなことはない…と恐縮する。

だって、この経費処理を一人で全部やりきった訳ではないから。あの彼がたまに時間が空いてる時に手伝うと言って、勝手に領収書の束を持って逃げてたから。


私は勿論ご遠慮した。
だけど、彼はこれだけ溜まったのも自分に責任があると言い、持って行った分を返してはこない。

腹立たしいけど確かにそれは言えると思ったから無理矢理返してとも言わなかった。
外回りしてる人に手伝って貰うのもヤダな…と思いながらも内心は少しだけ助かってたんだ。


「月ちゃん、ヘアスタイルが変わってから雰囲気も少し変わったね」


お昼休み、本田さんからランチに誘われ、オフィスビルの一階にあるパスタ屋さんに来てた。


「そうですか？」


毛先を撫でながら言うと、うん…と頷いた彼女がこう続ける。


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