お見合い相手は、アノ声を知る人
全くもう…と踵を返そうとしたら、待て…と言う。
何よ…と振り返ると、カタン…と椅子から立ち上がった。
「ジジイがあんたを食事に誘いたいそうだ。今夜七時半にこの店に来いと言ってたぞ」
差し出されたメモ用紙を見せられ、視線もろくに向けずに行きません…と断った。
「付き合わないと言ったでしょ。貴方から会長にお断りして下さい」
ブイと知らん顔をしてやった。
一度ならず二度までも…と、そのしよう懲りもなさが頭にくる。
「俺が一緒な訳じゃないんだから別にいいだろ。
ジジイのご機嫌でも取って、ついでに断ればいいじゃないのか」
「私の願いなんて聞いてくれる人なんですか?」
孫が逆らえば激怒するって人が。
「それは理由にも寄るんじゃないのかな。あんたに余程の事情があれば、聞き分けないこともないと思うが……」
「何よ、その不確定な話」
「ジジイの気持ちまでを確定できる訳ないだろ」
「怒り出したらどうすればいいの」
「怒り出すのを怖がってたら見合いはナシには出来ないんだぞ。あんたは俺と付き合いたくないんだろ」
何よ…と振り返ると、カタン…と椅子から立ち上がった。
「ジジイがあんたを食事に誘いたいそうだ。今夜七時半にこの店に来いと言ってたぞ」
差し出されたメモ用紙を見せられ、視線もろくに向けずに行きません…と断った。
「付き合わないと言ったでしょ。貴方から会長にお断りして下さい」
ブイと知らん顔をしてやった。
一度ならず二度までも…と、そのしよう懲りもなさが頭にくる。
「俺が一緒な訳じゃないんだから別にいいだろ。
ジジイのご機嫌でも取って、ついでに断ればいいじゃないのか」
「私の願いなんて聞いてくれる人なんですか?」
孫が逆らえば激怒するって人が。
「それは理由にも寄るんじゃないのかな。あんたに余程の事情があれば、聞き分けないこともないと思うが……」
「何よ、その不確定な話」
「ジジイの気持ちまでを確定できる訳ないだろ」
「怒り出したらどうすればいいの」
「怒り出すのを怖がってたら見合いはナシには出来ないんだぞ。あんたは俺と付き合いたくないんだろ」