お見合い相手は、アノ声を知る人
それには絶対に何もかも話して諦めて貰わないと。
誰がなんと言っても、この人に私は相応しくない。


「何度も言うようだけど、私は貴方とはやっぱり付き合えないと思います。
あんなに家族に大切に思われて信頼されてる人の嫁にもなれないし、ウチに婿養子に入ってもいいとか、そんなの絶対受け入れられない。

私は貴方が思うような人間じゃないの。最低で、どうしようもないことをする女なの」


そう言うと一気にウーロン茶を半分飲んだ。
グラスをトン！とテーブルに戻すと彼が……


「男を部屋に通わせることが大罪みたいな言い方だな」


呟くから振り返り、「大罪よ」とキッパリ言い渡した。


声に反応するように振り返る彼にきゅっと唇を噛み締める。
それから声を絞るようにして押し出した。


「……あの人は既婚者だったの。私の恋は、不倫だったという訳」


挑むように彼を見つめ、そんな関係になった経緯を話し始めた。


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