お見合い相手は、アノ声を知る人
狼狽えきって怯えてるようにも見えた。
奥さんは顔を伏せ、チャイムをずっと鳴らし続けてた。
『どうすればいい?』と聞いたら『取りあえず出ないで無視しておこう』と言われてそうしたけどーー。
「……出ないでいたら、何度もチャイムを押し続けて、まるで責められるように鳴り続けたの……」
怖くなってきて、何とかしましょうよ…と彼に言った。
私が出ると言うと止めて、自分が出るから…と言ってくれた。
怖くて仕方なかったから正直ホッとした。
でも、彼一人で出すのも心配で、玄関に近い部屋の内側から様子を窺うことにした。
「彼がドアを開けたら奥さんは最初無言で……黙ってじっと彼のことを見続けてたの。
何か話したり怒ったりもしないで、泣き喚いたりもしないで呆然としてた…」
私は彼女が激しく取り乱すんじゃないかと思っていた。
そして、私と彼を詰るんだとばかり考えて、それも仕様がないと思って諦めてた。
……なのに、彼女は泣くどころか笑って、彼にこう切り出した……。
奥さんは顔を伏せ、チャイムをずっと鳴らし続けてた。
『どうすればいい?』と聞いたら『取りあえず出ないで無視しておこう』と言われてそうしたけどーー。
「……出ないでいたら、何度もチャイムを押し続けて、まるで責められるように鳴り続けたの……」
怖くなってきて、何とかしましょうよ…と彼に言った。
私が出ると言うと止めて、自分が出るから…と言ってくれた。
怖くて仕方なかったから正直ホッとした。
でも、彼一人で出すのも心配で、玄関に近い部屋の内側から様子を窺うことにした。
「彼がドアを開けたら奥さんは最初無言で……黙ってじっと彼のことを見続けてたの。
何か話したり怒ったりもしないで、泣き喚いたりもしないで呆然としてた…」
私は彼女が激しく取り乱すんじゃないかと思っていた。
そして、私と彼を詰るんだとばかり考えて、それも仕様がないと思って諦めてた。
……なのに、彼女は泣くどころか笑って、彼にこう切り出した……。