お見合い相手は、アノ声を知る人
涙の所為ではげたメイクが白いワイシャツに付いても止めれなくて、乾いてた背中がしっとりと濡れて肌着の色が透けてきても止まない。


何分も何十分も泣き続けて、最後には雫も出なくなって、嗚咽だけが残ったーーー。



横隔膜が震えてしゃっくりが聞こえる。

ヒック、ヒック…と繰り返しながら、彼の背中に凭れた。



ワイシャツは濡れてるけど温かだった。

人の温もりってこんなだったんだ…と、改めて思いつつ目を閉じたーー。



ぐったりとしたまま、疲れたな…と感じた。

子供みたいだ…と思うと、何だか少し笑えて意識が飛んだーーーーー。



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