お見合い相手は、アノ声を知る人
温もり……
温もりを感じて目覚めたら室内が明るかった。

薄っすら目を開けて視線を彷徨わせると、見覚えがあるようでない部屋の雰囲気にぼうっとする。


(……ここは何処だろ。私は何でここにいるの……?)


ぐったりと脱力してた腕を曲げてみると、真っ白いシーツの上を這うのが見えた。

自分のベッドじゃないというのは見て分かる。
だったらここは何処なの……?



「ん…」


もぞっと背後で誰かが動き、ビクッと肩を竦める。
背中にいる誰かが腕を伸ばしてきて、ぎゅっとお腹に巻き付けた。


ぎょっとして振り解こうとしたけど、この感触は初めてじゃない。

前にも同じようなことがあった。
そう、確か先週ーーー



(まさか、また!?)


昨夜はお酒を飲んだっけ?と振り返る。

ううん、飲みたいなと言ったけど作ってはもらえなかった筈だ。
だから、ウーロン茶をチビチビと飲んでたと思うんだけど……。


(それが、どうしてこんなことに?)


彼から山根さんのことを色々と聞いて、信じられないけど真実なんだと思った。

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