お見合い相手は、アノ声を知る人
「待て。俺は別に見合い話を取り下げろとは言ってないぞ」
「は?」
ポーチの中から取り出そうとしたスマホを握ったまま彼を見返した。
小早川さんは真面目そうな表情で「見合いも続けて結婚もするつもりだ」と言い放った。
「な、何で!」
…と言うか、どうして!?
この人の頭大丈夫なの!?
私のことも何も知らないくせに何の冗談を言ってるんだ。
「ジョークなら程々にしてよ。私にはそんな気まるでないんだから」
「そんなことを言っていいのか?俺はアノ声を聞いてるんだぞ」
ニヤリと笑った顔は勝ち誇ってるようだ。
あの声…?と呟き、私は頭の中で何のことだと想像した。
「それをこの公衆の面前で言うか?恥をかくのはあんただと思うけどな」
「な…何よ!」
ムキになって近寄ったら、ぽそり…と耳の中に声を吹き掛けられた。
「もう一度聞かせてみろよ。なかなか聞けない声だったぞ」
ドンッ!と体を押し退けて間を空ける。
なかなか聞けない声って何だ!?
私が一体何を言った!?
「は?」
ポーチの中から取り出そうとしたスマホを握ったまま彼を見返した。
小早川さんは真面目そうな表情で「見合いも続けて結婚もするつもりだ」と言い放った。
「な、何で!」
…と言うか、どうして!?
この人の頭大丈夫なの!?
私のことも何も知らないくせに何の冗談を言ってるんだ。
「ジョークなら程々にしてよ。私にはそんな気まるでないんだから」
「そんなことを言っていいのか?俺はアノ声を聞いてるんだぞ」
ニヤリと笑った顔は勝ち誇ってるようだ。
あの声…?と呟き、私は頭の中で何のことだと想像した。
「それをこの公衆の面前で言うか?恥をかくのはあんただと思うけどな」
「な…何よ!」
ムキになって近寄ったら、ぽそり…と耳の中に声を吹き掛けられた。
「もう一度聞かせてみろよ。なかなか聞けない声だったぞ」
ドンッ!と体を押し退けて間を空ける。
なかなか聞けない声って何だ!?
私が一体何を言った!?