お見合い相手は、アノ声を知る人
彼の住むマンションは玄関が思うよりも広かった。
造り付けのシューズラックが左側の壁に設えてあり、オフホワイトの化粧板が貼ってあるせいか明るく感じる。
「怖いか?」
そう聞く彼にううん…と首を横に振った。
マンションなのは変わらないのに、此処は不思議と廊下も明るい。
何が違うんだろうと思ってると腕を引っ張られ、そのままの勢いでパンプスを脱ぎ散らかして上がっていた。
「一路さん、靴を…」
「いいから、そのままにしておけ」
待てない感じの彼は私を引く様な勢いで奥へと連れて行く。
直ぐに寝室へ連れて行かれるのかと思ってたけど、ちゃんとリビングに通してからこう言った。
「今から抱くのもいいけど、ガッついてると思われるのも癪だからな」
余裕をかましておきたいらしい。
妙なところで見栄を張るなと思い、可笑しくなった。
「何だよ。明里が望むなら今直ぐでもいいぞ」
「いえ、それは別に臨んでないので」
自分も山根さんと会って少し興奮してる様な気分だった。
雑踏の中で彼のキスを受け止めたことも、少なからず興奮のネタになってたんだけど。
造り付けのシューズラックが左側の壁に設えてあり、オフホワイトの化粧板が貼ってあるせいか明るく感じる。
「怖いか?」
そう聞く彼にううん…と首を横に振った。
マンションなのは変わらないのに、此処は不思議と廊下も明るい。
何が違うんだろうと思ってると腕を引っ張られ、そのままの勢いでパンプスを脱ぎ散らかして上がっていた。
「一路さん、靴を…」
「いいから、そのままにしておけ」
待てない感じの彼は私を引く様な勢いで奥へと連れて行く。
直ぐに寝室へ連れて行かれるのかと思ってたけど、ちゃんとリビングに通してからこう言った。
「今から抱くのもいいけど、ガッついてると思われるのも癪だからな」
余裕をかましておきたいらしい。
妙なところで見栄を張るなと思い、可笑しくなった。
「何だよ。明里が望むなら今直ぐでもいいぞ」
「いえ、それは別に臨んでないので」
自分も山根さんと会って少し興奮してる様な気分だった。
雑踏の中で彼のキスを受け止めたことも、少なからず興奮のネタになってたんだけど。