お見合い相手は、アノ声を知る人
一般的に誰でも持ってそうな資格しかない。
前職もただの事務だったし、営業を少しかじったくらいの経験しか持ち合わせてない。
「…ですが、真面目な社員だったと調査書には載っておりましたぞ」
「えっ」
調べたの!?と驚き、だったらアノ事も書かれてたんじゃないのかとビクビクした。
「電話の対応も丁寧で、外部からの受けも良ろしかった…と上司の談も載っておりましたな」
その言葉に耳を疑いながら、それは上司が対外的に考えだした内容ではないかと思った。
「そんなふうに言われるほど真面目だった訳ではありません」
何とか断りたい気持ちが働き、つい自分を卑下するような言葉を発する。
だけど、彼のお祖父さんは、その様なことはない筈です…と否定した。
「自分の仕事ぶりは、周りの人間の方が正しい判断を下せるもんです。
明里さんとしては不十分に思えてても、周りがそれを良しとして見ておったのならいいのではありませんかな」
それが対外的に考えられたものじゃなければね…と胸の中で呟き、口先では「はあ」と声を発する。
前職もただの事務だったし、営業を少しかじったくらいの経験しか持ち合わせてない。
「…ですが、真面目な社員だったと調査書には載っておりましたぞ」
「えっ」
調べたの!?と驚き、だったらアノ事も書かれてたんじゃないのかとビクビクした。
「電話の対応も丁寧で、外部からの受けも良ろしかった…と上司の談も載っておりましたな」
その言葉に耳を疑いながら、それは上司が対外的に考えだした内容ではないかと思った。
「そんなふうに言われるほど真面目だった訳ではありません」
何とか断りたい気持ちが働き、つい自分を卑下するような言葉を発する。
だけど、彼のお祖父さんは、その様なことはない筈です…と否定した。
「自分の仕事ぶりは、周りの人間の方が正しい判断を下せるもんです。
明里さんとしては不十分に思えてても、周りがそれを良しとして見ておったのならいいのではありませんかな」
それが対外的に考えられたものじゃなければね…と胸の中で呟き、口先では「はあ」と声を発する。