お見合い相手は、アノ声を知る人
部署のメンバーは、誰もが割とあの人のことを尊敬してるようで、人種とか宗教とかも超えて、いろんな国の人達の為に頑張ってるよね…と喋ってた。



「小早川主任は、間違いなく日本の国際化の役に立ってると思うよ」


「言えてる。確実に外国人旅行者の数を増やしてるもんね」


そう言って笑い合ってた。

頭の良さそうな人達ばかりだと思ってたけど、それは当然で、全員が数カ国語の話せるバイリンガルばかり。

中にはハーフやクォーターの人もいて、部署内がまるで国際化してる。


純粋な日本人の私からすると、この部署はまるで外国のようで、たまにかかってくる電話もいきなり英語だったりして、思わず電話を切りそうにもなる。

だけど、そういう訳にもいかず、取り敢えずは辿々しい英語で担当者は留守だと伝え、急用なら携帯の方へ連絡して下さいと願う。


それで「OK!」と言ってくれる人はまだいいんだ。

でも、中には急がないから…と用件を伝えてくる人もいて、それを何度も一生懸命聞き直してメモを残し、戻ってきた時に分かるようにするのが一苦労。

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