お見合い相手は、アノ声を知る人
「要らない気遣いしなくていいからさっさと持ってこい。俺は別に疲れてる訳じゃないんだ」
スルッと髪から手を離し、ぐしゃぐしゃになった前髪を整えるかのようにポンポンと頭を撫でた。
「初日から飛ばしてやらなくてもいいから。手伝ってやれる時は俺からも声をかけてやる」
そう言うと、早く…と言うので自分のデスクに戻った。
手にしてたトレイの上に先週分の領収書を乗せて持って行くと、デスクに着き直してた彼はそれを見て、ブフッ!…と笑いを吹き出した。
「あんたって妙に面白いよな」
トレイの上に乗った領収書の束を取り上げ、ククク…と笑いながら処理を始める。
こっちはその様子を眺め、まるで狐に摘ままれた様な感じがしてた。
トレイに乗せて領収書を持って行ったのがそんなに可笑しかったんだろうか。
「な…何よ。そう言う貴方は変な人でしょ」
いきなり婿養子になること前提のお見合いを断りもせずに請け負って、ついでに私の就職口まで斡旋してくれるなんて。
スルッと髪から手を離し、ぐしゃぐしゃになった前髪を整えるかのようにポンポンと頭を撫でた。
「初日から飛ばしてやらなくてもいいから。手伝ってやれる時は俺からも声をかけてやる」
そう言うと、早く…と言うので自分のデスクに戻った。
手にしてたトレイの上に先週分の領収書を乗せて持って行くと、デスクに着き直してた彼はそれを見て、ブフッ!…と笑いを吹き出した。
「あんたって妙に面白いよな」
トレイの上に乗った領収書の束を取り上げ、ククク…と笑いながら処理を始める。
こっちはその様子を眺め、まるで狐に摘ままれた様な感じがしてた。
トレイに乗せて領収書を持って行ったのがそんなに可笑しかったんだろうか。
「な…何よ。そう言う貴方は変な人でしょ」
いきなり婿養子になること前提のお見合いを断りもせずに請け負って、ついでに私の就職口まで斡旋してくれるなんて。