お見合い相手は、アノ声を知る人
私が彼とお見合いをして一週間経っても、祖父はまるで断る気配が見られない。
それなら自分からもう一度彼に断りを言っておこうと決め、外回りに出かけようとしてる人を呼び止めた。
「……あの、お話があるんですけど」
背中に向かってそう言うと、振り返った彼が私のことを見て「何だ」と一言返事する。
此処ではちょっと…とそう言った。
仕事終わりでいいので…と、確かに言ったと思う。
だけどーーー
「私と話をするだけでお祖父さんに報告するの?こんな場所で話さなくても良かったのに」
「俺は別にあんたと話すとかジジイには一切喋ってないよ。出先に電話があって、今夜レストランを予約してるからあんたを連れて行くようにと言われたまでだ」
オシボリで手を拭きながら不機嫌そうに言われ、全く何処の祖父も呆れるくらいの孫思いだ…と痛感した。
仕事の方はなんとか苦労しながらでも続けていかなきゃ…と思えるようになった。
幸いにも配属先の人達は皆いい人そうで、総務の経費担当者の本田さんからは「絶対に辞めないでね」と相変わらず強く願われてる。
それなら自分からもう一度彼に断りを言っておこうと決め、外回りに出かけようとしてる人を呼び止めた。
「……あの、お話があるんですけど」
背中に向かってそう言うと、振り返った彼が私のことを見て「何だ」と一言返事する。
此処ではちょっと…とそう言った。
仕事終わりでいいので…と、確かに言ったと思う。
だけどーーー
「私と話をするだけでお祖父さんに報告するの?こんな場所で話さなくても良かったのに」
「俺は別にあんたと話すとかジジイには一切喋ってないよ。出先に電話があって、今夜レストランを予約してるからあんたを連れて行くようにと言われたまでだ」
オシボリで手を拭きながら不機嫌そうに言われ、全く何処の祖父も呆れるくらいの孫思いだ…と痛感した。
仕事の方はなんとか苦労しながらでも続けていかなきゃ…と思えるようになった。
幸いにも配属先の人達は皆いい人そうで、総務の経費担当者の本田さんからは「絶対に辞めないでね」と相変わらず強く願われてる。