お見合い相手は、アノ声を知る人
ゆるふわパーマをかけたのは、あの人が似合うだろうと言ってくれたから。
ホントはストレートが好きだったのに、彼の好みに合う自分になりたかった。
……でも、それもあの人が、違う人と私を比べて言っただけ。
本当にパーマをかけて欲しかったのは、きっと私じゃなくて彼女だ……。
笑って誤魔化すことも出来ずに、切るなら思い切って早くしようと浴室から出た。
失恋すると髪を切りたくなると言うけどホントだな…と、妙に納得しながら乾かす。
乾かしながら、どれくらいの長さにしようかと鏡の中を見つめる。
あの人に出会う前の長さに戻してみようかと思いつき、毛先を指で摘んだ。
「あれ?」
正面から見ると気づかなかったけど、耳朶の下辺りが赤い。
虫刺され?と思ったけど、別に痒くもないからただの炎症?
「ヤダな。美容院で何か言われたりしないかな」
カットバンとか貼って行ったら返って変に思われそう。
相手も髪を扱うのが仕事なんだから、こんな赤みくらい見慣れてるよね。
「…いいか。気にしないでおこう」
ホントはストレートが好きだったのに、彼の好みに合う自分になりたかった。
……でも、それもあの人が、違う人と私を比べて言っただけ。
本当にパーマをかけて欲しかったのは、きっと私じゃなくて彼女だ……。
笑って誤魔化すことも出来ずに、切るなら思い切って早くしようと浴室から出た。
失恋すると髪を切りたくなると言うけどホントだな…と、妙に納得しながら乾かす。
乾かしながら、どれくらいの長さにしようかと鏡の中を見つめる。
あの人に出会う前の長さに戻してみようかと思いつき、毛先を指で摘んだ。
「あれ?」
正面から見ると気づかなかったけど、耳朶の下辺りが赤い。
虫刺され?と思ったけど、別に痒くもないからただの炎症?
「ヤダな。美容院で何か言われたりしないかな」
カットバンとか貼って行ったら返って変に思われそう。
相手も髪を扱うのが仕事なんだから、こんな赤みくらい見慣れてるよね。
「…いいか。気にしないでおこう」