恋を教えてください
「須藤健優です。よろしくお願いしま〜す」
健ちゃんはお辞儀をして緩く挨拶した。
「ねえかっこよくない?!」
「やばい!めっちゃイケメン……」
教卓の前に立つ転校生を見て女子達が騒ぎ出す。
健ちゃんは昔から目鼻立ちがハッキリしていて、本当に顔が整いすぎている。
でもどうしてここに?
そういえば先週私の家の裏に引っ越してきたんだった……!!!
忘れてた……
なんていう事だ!!!
幼なじみを忘れるだなんて……!!!!
頭を抱えて机に伏せた。
「須藤は…………篠原の後ろだな」
え?!
なに?名前呼んだ?!
頭を上げて前に目をやると
私の方に健ちゃんが向かってくる……
健ちゃんは私を通り過ぎて、すぐ後ろの席に着く。
嘘でしょ……
後ろ健ちゃんだ……
嬉しい。
私は篠原。
健ちゃんは須藤。
どう考えても、番号順は前後になる。
休み時間。
後ろを振り向いて、健ちゃんに話しかける。
「健ちゃん!同じ学校なんだね!」
「そうだな」
健ちゃんは私と目を合わさずに廊下に出てしまった。