こんなの心臓もちません!
なんの意味もなく言った言葉だろうけど……

なんだかすごく、胸が高鳴る。

トクン……トクン……トクン……

「あれ、千紘?……誠也くんもいる」

その言葉に一気に現実に引き戻された気がした。

目の前にいる二人が振り返って、

僕たちに気づいた。

「ああ、今帰りか。おかえり」

「全部買えたのかよ」

それぞれそう言ってから、ふと口をつぐむ。

「……?あっ……!」

結良ちゃんは気づいたみたいに僕から手を離そうとして

僕はとっさにぐっと力を込めた。

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