流れ星に願いを込めて
それは、黄色よりもオレンジに近い、優しい光を放つ月の夜でした

いつものように、リリィが地上に降り立つと、そこは公園でした

その日、そこで出会ったのは1人の少年でした

彼は公園のブランコに腰かけて、携帯電話を見つめていました

リリィが彼に近づくと、彼はゆっくりと顔をあげました

黒い髪と学ランが映える整った顔立ちの少年です

そんな彼が、まるで迷子の犬のような顔で、リリィを見据えています


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