あなたの為に、唄います

南で時間をつぶす事にした。
赤いレンタル自転車を借り、無限に広がるように思える南の街を走り回った。
どこも、無機質だと思う。
開発は進められたとはいえ、何故だろう。
この淋しく冷たく感じてしまうのは。
大学に通うためにまた群がる大学生に、
遅刻寸前でギリギリだけどゆっくり話しながら歩く群れる高校生に。
何でもかんでも集団でやりたがるのは、向いていない。
心配してか、エリから着信がくるけど
携帯は電源を切ってポケットにしまった。
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