孤独姫
第4章
僕はまだ中3だった
族にも入っていなかったし
ただの優等生だった
じゅんとも
そこまで仲良くなかった
遥と樹壱とは
まだ出会う前のことかな
「慎くん、帰ろ」
この頃の僕には
可愛い彼女がいた
名前は綺沙羅(きさら)
最初は綺沙羅のことは
好きではなかった
あまりにしつこいから
付き合うことにしたんだ
すると
徐々に彼女にひかれていったんだ
「慎くん、新しくできたカフェ行こ」
今思えば
こんな幸せが
長く続くはずがなかったんだ