孤独姫
慎哉の過去を聞いた
慎哉が言っている綺沙羅と
私が知っている綺沙羅は
きっと同じだろう
綺沙羅から話は聞いていた
あの頃綺沙羅は
クラスの一部から
いじめられていた
そして標的は
いつの間にか綺沙羅から
綺沙羅の友達や慎哉に変わろうとしていた
でも、
それを綺沙羅は1人で止めたんだ
…分かれるという選択をして
そして、
クラスの中でまだ仲の良かった
友達に協力をしてもらったそうだ
“好きだったから、離れないといけなかったんだ、今会って話すことができるなら、、、慎くんあこんな私を許してくれるのなら、………”
そう泣きながら話してくれたのを
今不意に思い出した
「……慎哉、今でもその子のこと嫌い」
「嫌い………ではないかな」
慎哉も同じ気持ちかな…
「今だから思えるんです、もしかしたら綺沙羅にも何か訳があったのではないか、と」
綺沙羅は後悔していた
だから、
あれ以来好きな人はできないらしい
まぁ、
慎哉のことがまだ好きってことかな
「……会いたい?」
「会えることができるのならば…」
…言うと思ったよ
「……その子の名字分かる?」
「確か、、、如月だったと思います」
「……やっぱりか」
「しってるんですか!?」
予想通り同一人物だったか
如月 綺沙羅なんて
珍しい名前なかなかいないからな
「……友達」
綺沙羅とは
夜の街で出会った私の数少ない友達
最近は連絡とってなかったけど
前は毎日のようにとっていた
「綺沙羅に会わせてください」
「……電話してみる」
そして私は
携帯のメアドの中から
綺沙羅の名前を探した