孤独姫
「慎哉、何かわかったか」
「いえ、特には」
僕は今
じゅんと
舞里ちゃんについて話をしています
「聞かなかったのか」
「教えてもらえませんでした」
舞里ちゃんたちが
ゲームに集中しているうちに
どうするか話し合っているんですが
唯一の頼みだった綺沙羅も
何も教えてくれませんでした
…これも会いに言った理由なんですがね
聞いても
“舞里に聞いて”
の一点張りでした
「今日なんか嫌な予感がする」
「僕もです」
これは
ここにいる誰もが
気づいていることなのかもしれない
でも、
誰も聞けずにいるんだ
「舞里が寝たら話し合おう」
「分かりました」
迷っているのだろう
総長様が愛する姫が
黙ってどこかに行くわけがない
という考えと
どこに行って
戻ってこないのではないか
という考えが
頭の中にいるのでしょう
……信じたい
慎哉said終