孤独姫




慎くんには申し訳ないけど
今回は舞里との約束で
何も話すことができないの…


本当は今すぐにでも
全部話して
舞里を助けてほしい


…、でも
それができないから



私ももやもやしてるんだ



「じゅん、これからどうするんだ」


「早く探しにいこーよ」


「まだ迷ってるんですか」


…あの人がここの総長

そして、
舞里のことが好きなんだろう


だからこそ迷ってるんだ

信じていたからこそ
こんなに悩むんだろう

もしかしたら本当に
嫌になったのかもしれない

そう考えてしまうから


「全員を集めろ」


その一言で
すぐに動き出した


「樹壱、傘下に連絡を」


「分かってる」


「僕は下に行ってくるね」


「頼みました」


もしかしたら本当に
助かるかもしれない…

けど



……あの人の前では










 綺沙羅said終




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