孤独姫




それから何日間か
そこで待ってみたけど
舞里には会えなかった


連絡先は聞いていたから
電話も
メールもした






でも、
返信なんてなかった













それから冬まで
1度も連絡が取れなかった

















冬休み私は
街外れにある旅館に
友達といったんだ



山に囲まれたところで
自然が豊かで
温泉が有名ってことで
ここを選んだ




温泉も
ご飯も最高で
テンションが上がってたのか
その日の夜
私は眠れなくて
少し外を歩こうと思って
1人で外に出たんだ







そこで、
今まで連絡が取れなかった舞里が
木の陰に
隠れるように座っていたのを見つけたんだ


少しけがをしているようで
意識ももうろうとしている様子だった


名前を呼んでも返事がなかったから
誰かを呼んで
旅館まで運ぼうと思って
携帯を出したら





「………や、…め、、、、、て」





すごい小さな声で言われたんだ

聞こえるか聞こえないかぐらいの
小さな声




「舞里!どうしたの!?」



そう聞くと
舞里は黙り込んでしまった





ガサガサガサッーー






風で木が揺れたのかだろう
私はそう思った
でも、
舞里は違った





「………もう、私にかかわるな」






そう言うと
舞里はフラフラな足で
どこかに行ってしまった


追いかけることはできたはずなのに

舞里に
“関わるな”
なんて言われた私は 


ショックと戸惑いで
追いかけることができなかった


だから、
ケガをした舞里か
どこかに行ってしまうのを
止めることもできなかったんだ





それから
はっきりわからなかったが
何分か何十分か経って




最後に
舞里と話をした日に
声をかけてきた男の人みたいな人が
何人か見えた


怖くなった私は
木の陰に隠れたんだ


そしたら、
その人たちは私に気づいてなかったのか
会話を始めたんだ




「くっそ!どこいったんだよ!」


「早く連れ戻さねぇーと!」


「このままだと俺らが……組長に」


「そんなこと考えてる時間もねぇーぞ!!」


「早く見つけ出せ!!」



そう怒鳴りあいながらの会話
本当に怖かった…


でも、
会話を聞いてて分かったんだ


舞里は
何かの組に追われてるんだって



夜の世界はあんまり詳しくないけど
私にもそう結論を出すのには
時間はかからなかった










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