孤独姫
「舞里ちゃんに兄弟!?」
「それはほんとか」
「なんで親父が驚くんだよ」
「そんな情報出てなかったからな…」
親父は
今回はプロに任せたって言ってたもんな
それなのに
報告がなかったことか…
「はっきり聞いたわけではないんだけどね」
「そういう風な感じがしたということですね」
「うん」
確かな情報ではないかもしれないが
今はちょっとした情報も欲しいところだ
…確かめてみるか
もしそんな奴がいるのなら
何か情報が手に入るかもしれないからな
「兄弟なら、颯乃にいるだろ」
「なら、1度行った宗太に行かせてみますか」
「とりあえず倉庫に行く」
「では、連絡を入れておきます」
「頼んだ」
それから、
親父の話も聞いて
俺らは倉庫に向かった
倉庫に着くと
俺ら以外はそろっていたようだった
「宇野原、情報は」
「今のところは特にありません」
「学夜」
「こちらもです」
宇野原でも
親父以上の情報はないってことか
てことは
兄弟は本当に情報には載ってないってことか
…本当にいるのか
宇野原でも
プロでも
見つからなかったってことは
それ以上の腕の持ち主ってことか
……世界№1
そんな奴がなぜ舞里の情報を隠してんだ
相手の組にいるのなら
組の情報が出てくるのはおかしい
それに隠すなら
舞里の情報も隠すはずだ
謎が深まるばかりだな……
でも、
今はとりあえず
「さっき舞里に兄弟がいるかもしれないという情報を得た」
「うっそーー!!そんな情報知らないよ」
一番に反応したのは
もちろん宇野原だった
「宗太」
「はい」
「何か知らないか」
そう聞くと
宗太は考え込むようにした
「…あっ」
「なんだ」
「……怒らないでくれますか」
怒られるようなことなのか
「実は………颯乃に行ったとき1人話しかけてきた女がいました」
樹音said終