孤独姫


「まーー、ぉ…ろ」


んー…
なにか声がするな


「舞里、起きろ」


次ははっきり聞こえた


「やっと起きたか」


周りを見ると
樹音以外誰もいなかった


「…みんなは」


「先に中に行ったよ」


たぶんだけど、
私がなかなか起きないから
樹音以外は
先に行ってしまったのだろう


…申し訳ないことしたな


「行くぞ」


そう言われ
私たちはいつもの部屋に向かって
歩いて行った










「待たせたな」


「遅いよー」


「よく寝てましたね」


「早く起きろよな」


「「おはよぉ?」」


皆が待っていた


「……ごめん」


てか、
樹壱もいたんだ


「とりあえず座れ」


「……うん」


と空いている
いつものソファに座った


「なぁ、じゅん頼みがある」


「お前が頼みなんて珍しいな、樹壱」


樹壱は
この前私と話してから
少し変わった気がする


何が変わったとかは
はっきりは分からないけど
そんな気がしたんだ


「今日、こいつら泊めてもいいか」


「好きにしろ」


「ありがとな」


今日双子たちは
倉庫に泊まるんだ


「蒼、薫もう寝ような」


「「まだぁ、あそびゅの」」


「蒼、薫」


少し強く
名前を呼ぶと
2人は悲しそうな表情を見せたが


「明日また遊べるだろ」


という
樹壱の言葉を聞いて
笑顔に変わった


「「おやしゅみなしゃい」」


「おやすみー」


「おやすみなさい」


みんながそれぞれ
挨拶をしたが

…私はできなかった


「「おねぇちゃん?」」


双子が私に近づいてきた


「「おやしゅみなしゃい」」


そう笑顔で言われたので


「……おやすみ」


私には
この子たちの笑顔は
まぶしすぎるよ……



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