好きになっちゃったら仕方ないじゃん。


「なに?」

ほんとさ、タイミング悪いよ。

「なんでもない。
ただ、秀夏が心配してたから様子見に来ただけ。」

は?
秀夏いないし。
なんなの?

「ふーん。
まぁ、いいや。
教室戻ってて。」

なにも話すことないし。

「あんた、誰?」

「俺は、柏木 奏汰だけど、何か?」

ほんと、そうちゃんには話しかけないでほしかった。

「別に。
コイツ、振り回さないでもらえる?」

なに言ってんの?
私、振り回された記憶ないし。

「夢叶、勝手な事言わないでよ!
うちが、そうちゃんを振り回してるだけなの。
無理なお願いきいてもらってるの。
だから、そうちゃんは悪くない。」


お願いだから、もう放っておいて。

けど、私の願いは届かない。

「彩菜!」

なによ。秀夏まで。

「ねぇ、教室戻ろ?
彩菜に何があったかはわからない。
けど、今はモデルでしょ?」

馬鹿なこと言わないでよ。
私は、私は……

「もう、モデルじゃない!!
そりゃ、わからないよ!
夢だって、トップモデルになる事じゃないし、もう、モデルやってる意味もわからない。とりあえず、今日はもう授業ないじゃん?
だから、ここにいさせて。
ごめん。」


そう言ってそうちゃんを連れて奥まで歩く。


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